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ぱりぱりっと小気味よい音がはじける、やまくにさんの「パリパリいりこ」を食べる時は、食感も美味しさの大事な要素なんだなと、改めて思います。

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ついつい、もう一つあと一つと口に運んでしまう、そんな魅力にハマり、FOOD&COMPANYでもどんどんファンを増やしています。そんなやまくにさんのいりこに今回は迫っていきます。

教えてくださるのはいりこやまくに代表の山下加奈代さん。いりこのおっちゃんこと、お父様の山下公一さんから代表を引き継いでからも、お母様の万紀子さんと家族3名で試食会やイベントを催していりこの素晴らしさを伝えていらっしゃいます。創業明治から受け継がれてきた歴史を物語る、ある道具の事から話して下さいました。

「今も昔も変わらず、手仕事で仕上げる時に欠かせない道具があって。香川県の方言で言うと〈けんど〉。煮干しを手で選び取って袋詰めする時に使う〈篩(ふるい)〉のことなんです。余分な煮干しの粉を篩にかけて落とす、それだけのシンプルな作業なんですけど、時間も労力もかかるから、最近はオートメーションで袋詰めするいりこ屋さんも多くなってきていて。でも、機械で入れると良い煮干しも悪い煮干しも粉も、全部詰め込んでしまうので、味にばらつきが出てしまい、品質が保てないんです。昔ながらの篩を使うやり方なら、良いいりこだけをお届けできる。自信をもって皆様のもとへお送りできると分かっているので、けんどを手放して機械に任せることは、代々続けてきた信念を捨てかねないことだから」。

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最後の最後まで手作業のため、一日に作ることができるのは「パリパリ焙煎いりこ」で平均12kg程だそう。「いりこを綺麗に2枚におろす。ひとつひとつのはらわたを取り除く。焙煎する。作り方はとてもシンプルなんです。だからこそ、手の感覚が大切。仕上がりと味にダイレクトに影響してしまいます。いりこを一番良い状態に保つためには、手はもちろん、目、鼻、耳・・五感を使って、ひとつひとつを確認しながら行うことが重要です。これは機械では無理で、私たちにしかできないこと」。

そもそも青魚であるいりこは不飽和脂肪酸を多く含むため、製造・流通・保存までのすべての工程が適切に行われないと脂肪の酸化が急速に進み、品質が落ちてしまいます。生臭みが出やすいため、加工時の鮮度もまた非常に重要で、やまくにさんがある香川県観音寺は環境としても良質ないりこを育む絶好の場所なのです。

「いりこって〈生臭い〉とか〈見た目がグロテスク〉なんて負のイメージを持たれる方もいらっしゃるんですが、いりこ自体の鮮度や作り方で味も見た目も変わるものなんです。しかも、200ccの水に対していりこ2尾という、少しの量で十分コクのあるおだしが取れることも魅力。お味噌の味に負けないコクは、旨味の相乗効果も引き出すので、鰹節や昆布よりもしっかりした味が楽しめます。おだしを取ったあとのいりこは具としてそのまま食べられて、色々な料理に加えたり、いりこ自体をアレンジするにも変化させやすくて飽きがこない。手間をかけなくてもおいしいんですが、手間をかけて料理すると、かけた分だけ美味しさで応えてくれる万能な食材でもあるんですよ」。

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色々な活用法は、毎日いりこを食材として使っている山下さんならではのお話。今ではライフワークの一つとも仰る《だしとりワークショップ》で詳しいお話を伺った方もいらっしゃるのではないでしょうか。ところでこのワークショップはどんなきっかけで始まったのでしょう。

「近年いりこ離れが進んでいるどころかだしをとった事がないという方が増えています。どうすればいりこの美味しさをお伝え出来るか悩んでいた時、ある試食販売先で『いりこに興味はあるけど使い方がわからない。使い方を教えて欲しい』というお客さまの声を多数頂きました。詳しく聞いてみると、水に対しての分量とか、どれくらいの時間浸しておくのかとか、どんな料理に向いているのかとか。お料理のベテランの方でも疑問に思いつつ聞く機会がないまま、普段のだしや方法をなんとなく続けていた方が多いこともお客さまの声で知り、始まりました。始めは本当に手探りでしたが、参加者の皆さんはとても真剣に聞いてくださいました。その時のお客さまとは、今でも時々、試食販売会やイベントなどでお逢いしたりします。いりこは敬遠されがち、と寂しく思っていた私たちにとって、ワークショップでお客さまと交流することはいりこ作りの励みになっています」。
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そして、このだしとりワークショップがきっかけで山下家は料理家・ワタナベマキさんと出会い、そこから世界初とも言えるいりこにクローズアップしたレシピ本『瀬戸内やまくにのいりこで毎日おかず』が誕生したのです。後編ではこの『瀬戸内やまくにのいりこで毎日おかず』の魅力と、やまくにさんのこれからのお話をご紹介していきます。公開は5月25日(水)予定。どうぞお楽しみに!

やまくに

香川・観音寺市にて明治20年より続くいりこ・ちりめん製造メーカー「やまくに」。瀬戸内・ひうち灘で獲れる最上質のいりこ・ちりめんを扱い、その品質の高さに多くのプロにも支持されている。いりこそのものだけでなく、ふりかけや出汁など、いりこを使った商品開発にも力を入れ、新刊『瀬戸内「やまくに」のいりこで毎日おかず』(ワタナベマキ著)では、いりこの魅力がたっぷり紹介さている。

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